毎朝のお楽しみ、外はサックリ、中はしっとりのコメダの山食パン。
そのまま食べても、たっぷりのたまごペーストやおぐらあんを塗っても、かぶりついた瞬間、思わずおいしさに顔がほころんでしまうことは周知の事実ですが、実はコメダのパンはすべて自社工場でつくられているそう。
でも…。私は山食パンを頬張りながら思いました。
このおいしさ、やっぱり尋常じゃないよね…?一体どうやってこのモチモチさを出してるの…?実際に作ってるところ、見られたりしないかな〜?あわよくばパンをその場で食べられちゃったりしないかな〜???
…と思っていたところ、コメダの“心にもっとくつろぎを”プロジェクトの中で、コメダ部のユメを叶える企画がスタート。そして今回、「コメダで叶えたいユメ」で最も多く要望が上がった「コメダのパン工場見学ツアー」が特別企画として実現することに!!
通常は一般公開されていない秘密の場所に、数多くの応募の中から選ばれし10名のコメダ部員が入ってきました。
その様子を、コメダ好きライターの筆者が潜入レポートします!
「ここが…ウワサのコメダのパン工場…!」
到着早々、工場にデカデカと描かれたコメダマークが。コメダ部員一同、いきなりテンションが上がります。
今回集まったコメダ部員のなかには、パン工場がある千葉県に住んでいる人から、なんとはるばる横浜(!)からやってきた人まで。
出勤前にコメダでホッと一息モーニングするのが日課だというコメダ部員も。
パン工場を前に、部員たちの瞳はキラッキラに輝いています。
工場のなかに入ると、本日案内をしてくれる製造本部長の細島さんが登場。工場内での注意点などを説明してくれました。
工場長の話にじっくりと耳を傾けるコメダ部員たち。さすが選ばれし部員、真剣な眼差しです。
当日の体調に問題がないかチェックシートに記入。作業着を着て髪をきっちりまとめ、ローラーでしっかりとチリや埃を落とし、手を洗って消毒、そして最後にエアーシャワーで全身に強い風圧を当てて、で汚れを念入りに埃を落としたら、やっと工場内への扉が開きます。
さぁ、いよいよ工場内へ潜入!
この、人が入れそうなくらい大きな入れ物に入っているのはパンの元となる種。
コメダでは、
産地を厳選した高品質なコメダ専用の小麦粉を使って生地をつくり、それを冷蔵庫と同じ温度のひんやりとした低温の部屋で約1日丸一日20〜24時間かけてじっくり発酵させるそうです。
じっくりと発酵寝かさせることで酵母だけでなく微生物の発酵も進み、イースト菌や乳酸菌が増え、それがしっとりとした食感や、パンの芳醇な香りへ繋がるのだとか。
次に、高回転ミキサーでよく混ぜて
伸展性の良い生地にしたあと、また生地を20分間休ませます。
そして、分割機によって適切な大きさに切られた後、さらに一度表面の皮を伸ばして包むように丸めるそう。どうしてそんなことをするのかというと…?
分割機で切られたあとは、このように生地が痛んでザラザラとしてしまいます。
それを、フワッと丸めることで、ガスを閉じ込め、なめらかな生地になるそう。
指で触ってみると…
とってもなめらか〜!!
生地種を形作ったら成形したら再び寝かせ、ひとつひとつ、手作業でていねいに型に詰めていきます。そして、今度は高温多湿な場所で寝かせます。
コメダのおいしいパンは、何度も何度も「
ひとやすみ」を重ねながら、出来上がっているんですね。
最後のひとやすみが終わり、ふっくらとしてきたらいよいよオーブンへ!
ふくらんだ生地種に振動を与えてしまうと、中に閉じ込めたガスが抜けてパンが縮んでしまうので、静かにゆっくりと運ばれていきます。
むくむく…
!! ふっくら !!
こんがり、とってもおいしそう…。
焼き上がったところで工場長が言いました。
「先ほどとは大きく違う工程があります。それはなんでしょう?」
首をひねりながらみんなでじっくりとパンを見ていると…
ガターン! 大きな音がしてパンが揺れました。
そう、レーンに大きな段差があるんです。でも、焼く前はあんなにも慎重に運んでいたパンに、刺激を与えて大丈夫…?
「これは、パンのなかに入っている水分を含んだ熱気を抜くための大切な工程なんです。
熱気が入ったままだと、冷えたときにパンの形が歪んでしまうんですよ」
なるほど…! “あえて”の刺激なんですね。
最後に、1時間半パンクーラーのタワーでしっかり冷ませば、みんなの大好きな「山食パン」の出来上がり。
検品は、金属探知機と、目視で焼き色やふくらみ方などを確認。この大量のパンたちを安全でおいしくお届けするためとはいえ、ひとつひとつ手作業でやっているのが驚きですね。
続いて他のパンたちも見ていきます。
見覚えのあるこのまあるい形は…
そう、コメダの看板メニュー、「シロノワール」です。
サクサクなのに
ふんわり、そんな独特の食感のひみつは、64層の生地がうすく積み重なっているから。
生地を折っては伸ばし、折っては伸ばし…という工程をていねいに繰り返し、64層に仕上げていくそう。
そうすることで、ソフトクリームと相性の良いあのサクサク
ふんわりの食感が生まれるんです。
こちらで成型しているのはバゲット。
熟練の職人が手早く生地を形づくって、波形の焼き板に載せていきます。繊細な作業だからこそ、人の手でさわって生地の状態を確認しながらの作業。
ていねいな職人技が伝わってきますね…!
実はここだけの話、コメダのバゲットは普通に売られているバゲットとは違って、皮があまり固くなく、断面がぎっしりと詰まっています。
これが、サックリ軽い食感なのに食べ応えたっぷりな秘密なのですね。
こちらはバーガーに使われているバンズ。
見よ、この圧巻の光景。
ぐるぐるまわるタワーでしっかり熱を冷ましてから運ばれていくのです。
こちらはしかくいカツパン! ああ、オーブンにこんがりと照らされたふかふかのパン、いつまでもこの小窓から覗いていたい…
「世界の絶景100選」に選ばれてもおかしくない。
さてさて。いろんなパンを見て幸せになったところで工場見学はおしまい。
最後に、コメダ部のみんなで山食パンをいただきますっ。
安心する、いつものサクサク山食パンだぁ。
コメダのパンを語るとみんなこの笑顔。
最後になんと、バケットをまるまる1本お土産に!
これは嬉しいサプライズ。
こうして、はじめてのコメダの工場見学は無事に終了。
道具ひとつひとつにこだわって、何度もじっくりと寝かせたり、最後まで人の手で仕上げたり…
これからコメダのパンを食べるたびに、職人たちのていねいな手仕事が頭に浮かびそう。そう、バゲットを抱えながらほっこり思いました。