コメダ写真館

いつか見た絵が忘れられず、ブラックモンブランをもう一度食べにきました。

街はクリスマスムード満点で、たいへんなにぎわいでした。コメダに席があるか心配でしたが、辛うじて一人分空いていました。

均整のとれた姿が美しく、チョコレートのいい匂いがしました。

いちばん上に降り積もっているのは、棗から掬った抹茶そのものに感じました。頂を崩す瞬間が緊張しました。食べ進むにつれて、ソフトクリームがほどよく溶け出し、目の前に抹茶ショコラオーレの海が広がりました。甘い香りの立つデニッシュを、今回ばかりは上下に分けて、濃密な抹茶クリームもろとも、32層の端から端までその海に浸して食べました。

おいしかったです。ジェリコ堂の玄米あられさながら、最後の最後にガリッときたクランチが、ブラックサンダーに勝るとも劣らないいい仕事をしていました。

帰りに、駅西銀座を歩きました。

清須城から桶狭間へ至る信長攻路に遅れることしばらく、ここ尾張中村にも、区役所地域力推進室と愛知大学の協力のもと、太閤秀吉功路が整備されました。距離にすれば信長の着物の切れ端程度ですが、その充実度は、けっして退けを取らないものです。

名古屋のひとは、誇っていいものを素直に誇れない、魂の歪んだところがあると感じます。そのなかで、それぞれの地域のひとがその地域のことを素直に誇れる、よりよい時代になったならと、自分は、つねづねそう思っています。

ここ中村で、秀吉は天文6年（1537）に生まれた。父は農民とも足軽ともいわれ、母「なか」は貧しい中で四人の子を育てた。二番目の子であった秀吉。その大出世はこの地から始まった。

——太閤秀吉モニュメント「一 日吉丸（秀吉）、尾張国愛知郡中村で誕生」