さんかく屋根の下

読みもの

whimsy socksとクリームソーダがつないだ物語 [後編]

2021年6月に東京都 原宿で限定オープンした、whimsy socks×BEAMS T ×コメダ珈琲店のコラボレーションショップ。そのコラボの裏側の思いをお聞きしました。

 

→前編はこちら
 


 

whimsy socks デザイナー
中井 宗太(NAKAI Sota)さん

whimsy socks:オリジナルのソックスをメインに扱う大阪発のブランド。
スケートボードのカルチャーをバックボーンに様々なデザインのソックス
を発表し、ファンを増やしています。

【Instagram】
https://www.instagram.com/whimsysocks/?hl=ja

 


 

BEAMS T バイヤー
二口 輝章(NIGUCHI Teruaki)さん

BEAMS T:"ART FOR EVERYDAY"をテーマに掲げ誕生したTシャツ専門のレーベル。日々、世界で生み出されているアーティスティックなグラフィックをTシャツというキャンバスに表現、発表しています。

【公式HP】
https://www.beams.co.jp/beamst/

 


――こだわったポイントを教えてください。

中井さん:ロゴが似ていてちょっと面白い、ってところからスタートしているのですが、どんどんコメダ珈琲店を知るにつれ、感動することがいくつもあって。その一つひとつを「言わずに伝える」ところを全部にしようと。そこだけはこだわりましたね。

たとえば、今回モデル撮影のために店舗をお借りしたんですが、そこで撮影した写真は、ファッション系で活躍する若者の様子を表しているんです。渋谷でファッション業界やアート業界、スケートボードなどスポーツ業界…同業他社が集まる場になって、よく会って話しているうちにいつの間にか昼になって、昼食食べながら自分たちの未来について語って、新しいものを作り出して…という。そこには、コメダ珈琲店のソファがある。

二口さん:その表現は、ポップアップショップの内装にも表れています。ソファや画像などもお借りして。コメダ珈琲店を再現して、ここからワクワクする何かが始まるような場所にしたくて。

――今回のコラボレーションについて、良かったなと思うことはありますか?
 

二口さん:バイヤーはそれこそ普段店頭に立たないんですが、今回は店頭でもお客様とお話をして。コロナ禍でイベントが難しい中で、笑顔で「可愛い!」とか「かっこいいな!」っていうお声をいただけたのがすごく嬉しかったです。普段いらっしゃらないような40代50代の女性の方に響いたのも嬉しかったですね。


中井さん:僕は、自分のブランドでやりたかったことの背中を押してもらえた気がします。


――背中を。どういったところでしょうか。


中井さん:ソファ生地を仕入れる際、コメダ珈琲店のソファ生地をずっと作っている生地屋さんにお話を伺ったんです。そこで、この生地自体が日本固有のテクニックでできていて、耐久性があって、昔はスナックやゲームセンターの椅子に使われていたこと、ただもうコメダしか使わなくなって自然と門外不出になったことを聞いて。その50年付き合い続けるというところにロマンを感じたんです。

中井さん:その生地屋さんもコメダに対して愛があるのがまた感動的で。もともと生地職人が早朝の一仕事を終えた後に朝食をとる場所がコメダ珈琲店だったそうなんです。同業他社が集まるのでそのままミーティングをして、昼食を食べて午後も仕事を頑張ろう、となるんだと教えてもらいました。

それを聞いたときに、コメダの軽食メニューが充実していたり、ソファの座面や背もたれが少し高めだったり、そういうこと全部が、お客様のために進化していったんだなというのが合点がいって。コーヒーショップ=回転率の勝負ではないところに価値を見出していったんだろうな、という。日本人らしいチョイスだし、それで実際、競争に生き残れている。

それは自分がブランドで伝えたいことと同じだなと思って。意味のあるコラボだなと思い始めたんです。
 

――コラボへの思いが大きくなった出来事だったんですね。


中井さん:そうなんです。僕たちも日本でブランドをやっていますが、欧米のものを取り入れて、欧米で起きてきた歴史や文化そのものに感動したり、自分が生きていく糧になったりした経験があって。同じことを日本でも起こしたいという思いがあります。

国内のものであっても、デザインの奥を感じることができれば、海外の人たちが見たときにかっこいい文化は必ずあるはず。それを再提示したり、日本の文化への誇りを持ってもらいたい、というのがブランドやっている目標なんです。

だからこそ、生地屋さんの話や、店舗でのくつろぎの在り方、一緒に仕事をするときのこだわりに、同じ誇りを感じたというか、コメダを通して自分の理念を勇気づけてもらった感じなんです。

――今回、若者向けの最先端のデザインを行なっている方に、コメダが「かっこいい」んだよ、と認められたような気がして嬉しいのですが、それもきっと同じことですね。


中井さん:そうですね。だから僕らのファンで、街でスケボーしているだけの中学生がコメダ珈琲店のロゴをじーっと見てくれれば、それだけで僕がブランドで伝えたいことができた感じなんです。コメダの素敵なところをストレートに伝えて、それが伝わる。

もっと言えば、ソファハットやソファショーツを着てコメダ珈琲店を訪れた方が、ソファに注目して、座り心地の良さにコメダの思いを感じ取ってもらってニヤッとしてくれたらすごく嬉しい。


――今後の展望を教えてください。


二口さん:今年20周年のBEAMS T。これからもどんどん面白い企画をやっていきますので、皆さんチェックしてください。また、コメダさんと再コラボの野望もありますので、ぜひ応援してください。


中井さん:僕らも、次回コラボとしてコメダ珈琲店店舗でのイベントなどを行う夢がありますので、ぜひ応援してください。


――野望(笑)。ありがとうございます。最後に、コメダファンに一言お願いします。


二口さん:今回のアイテムを着て、ぜひコメダに行ってほしいです。さりげなく着ているTシャツにスタッフさんが気付いてくれて、それで会話になったら良いなと思っています。外国だとそういうやりとりをフランクに行なっていると思うんです。「それいいね。どこの?」なんていう会話は、それだけで言ったほうも言われた方もHappyになれると思うんですよね。それが日本でももっと増えていってほしい。

今回のコラボレーションをきっかけに、そういう会話が増えて、Happyが増えたら嬉しいですね。


中井さん:ミックスサンド、美味しいですよね(笑)。


――え、それで大丈夫ですか?


中井:えぇ。ぜひミックスサンドについて伝えておいてください(笑)。

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1 件の返信 (新着順)
伊藤fds
2023/10/12 23:44

ソファハット、かわいいし面白い!
コメダ好きを自称していながらこんな粋な企画を今まで知らなかったのを反省。

コメダのソファ生地が日本固有のもので、今ではコメダでしか使われてないというのも勉強になりました。
また人に語りたくなるコメダトリビアが出来ました。