イシガミ
2025/08/21 14:55
故郷の光
毎年、15日は墓参りへ——正午を跨いでことを終え、藤棚のベンチに腰かけて米野木のほうを眺めると、今年も、藤島の早稲が美しく実っていました。









岩崎城では、ふた組の親子が広場で遊んでいました。天守から降りてきたとき、いつのまに駆け上がったのか、最上階から目と鼻の先の四阿のほうへ「かあちゃん! かあちゃん!」と精一杯呼びかける声が聞こえて、胸が熱くなりました。
藤枝橋も、何一つ変わっていませんでした。公民館と消防団詰所前の灯籠も、三十三銀行の支店(旧三重銀行)と、向かいの愛知ヤクルト工場も。それから、コメダ店内に据えられた苔植物のポットと、メダカの水槽も——ジャーマンと名づけられた巨大な熊のぬいぐるみも、変わらない顔をしていました。ただ一人、店長だけは、10年前と比べて白髪が増えていました。

この間、幾多の学生アルバイトを指導し、見守り、送り出してきた方です。その鈍色というよりは白銀の後ろ姿が、心の中で、いつまでも頼もしく見えました。

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投稿を表示イシガミさん、こんばんは
コメダなんだけど、トトロじゃん、みたいな写真もありますよね(笑)
ヤクルト工場、懐かしいです
素敵な写真ばかりで、引き込まれました😊✨️