いつかはと思っていた、おかげ庵葵店を訪ねました。

なだらかなアーチに、助手席を降りた瞬間から心安らぎます。徒歩で来た自分は、最初店舗入り口がわからず南側まで半周しました。それでわかったのが、駐車場入り口は隣のコメダ珈琲店葵店と共通で、駐車スペースも共通らしいということです。歩行者用の入り口は、コメダ珈琲店の勝手口とのあいだに、横断歩道のサインで控えめに表示されていました。

コメダ珈琲店を素通りしたとしても、おかげ庵のネオンと明るく照らされた壁面に、素直に従えばいいだけなのでした。

それよりも、歩道に面したキッチンの裏側を通ったとき、出汁のいい匂いがしました。注文は、そこで決まりました。

鶏白湯です。あったかとろとろ、煮干しが効いて、肉団子はうれしい2コ入りで大満足でした。

店内は、デートで彼女にお団子を焼かせてあげる好青年、スーツ姿のまま男同士で、もうお団子は食べたのに七輪越しに砕けた会話を続けるひと、うろうろする男の子に手を焼くお母さん、ハイキング帰りのような格好で到着するや世間話に花を咲かせるおばさま方、かと思えば奥には物静かな老紳士や淑女のペアが控え、またもう一方のフロアには男女の若者グループが複数と、その場所はまるで、ただ賑やかである以上に——コメカに描かれたように——誰もがくつろげる、コメダの縮図でした。

そのなかに、何事にも動じないスタッフの姿が輝いていました。