念願の、ブラックモンブランと初対面を遂げました。

4月26日の販売開始時、コメダによる商品紹介で「これを通して他所のひとたちにも佐賀を感じてもらえれば、また佐賀を離れて暮らすひとたちには、これを通して少しでも故郷を感じてもらえたら」と語られていたのをよく覚えています。ブラックモンブランを代名詞とする竹下製菓の小城市から天山は望めても、アルプスのように白雪を戴く光景はまず見られないことでしょう。

ではどうやってこのロングラン商品が生まれたのか？　何でも、前会長が海の向こうでモンブランを目の当たりにしたとき、「この真っ白い山にチョコレートをかけて食べたらさぞ美味しいだろう」と閃いたのが由縁だといいます。

果たせるかな、じつに美味しかったです。ザクザクのそぼろとパリパリの衣に、お馴染みのソフトクリームとロイヤルパンの甘味と食感がこのうえない調和に溶け合いフォークが止まりませんでした。食べ終えたとき、コーヒーがまだ熱かったほどです。

かつて一人旅で震災直後の熊本城を見上げたとき、遠い空から京や江戸を真剣に考えた古人を思わずにいられませんでした。その胸はどれほど雄大で奥深いのだろうと。

九州名物のしろくましかり、夢を見ること、見続けてその夢を叶え、全国へ届けるひとの力強さを遠く離れた愛知でいま一度教えられました。

願わくは、佐賀のひとにもいつかその成果が運ばれるように。五月最後のあたたかな夕刻、久方ぶりに顔を合わせたいつものスタッフとの安堵とともにまたとないデザートタイムとなりました。