丹波種×北海道産大豆使用

コメダ珈琲店、名城大学女子駅伝部、有楽製菓の三者に敬意を表して。

ところで母が豊橋のひとで、有楽製菓も豊橋の会社だけど、オリジナルもシロノワールも含めて、ブラックサンダーを食べたのは今年が生まれてはじめて。美味しいのと同時に、未知の食べ物という感覚が拭い切れない。

発売開始の1994年というと、自分ももう中学へ上がっていて、家にお菓子はなかったと思う。そもそも、進学、就職、そして結婚と出産、子育と、豊橋を離れてもう十何年にもなっていた母にとって、有楽製菓には幼時に親しんでいたとしても、ブラックサンダーに格別な思い入れがあったかどうか。

というか、チョコレートを買ってこないひとだった。ただ、自分が高校で登山に目覚めたとき、あなたは慎重だから大丈夫だと思っているけど、万が一遭難してもチョコレートが何かけらかあれば大丈夫だからね、と、どこから用意したのか手渡してくれたものだった。

その教えはその後もずっと守っているし、窮地や疲労困憊を乗り切るときはチョコレート、といまも頑なに思い込んでいる。シロノワールブラックサンダーにも、この秋から冬にかけては、美味しいのと同時に随分と力をつけさせられた。

幼かった冬、母が家で何度も作ってくれた安倍川餅（湯でやわらかくした餅に、きなこと砂糖をまぶしたもの）を、次に落ち着いて会えたときには、今度は自分が作ってあげたい。それとも、おかげ庵に連れて行ってあげたい。