夏まつりの夜
地域の夏まつりからひと足先に、コメダへ向かいました。暗くなってからそちらから帰ってくるときはいつも選ぶ道です。
オレンジの窓の明かりが見えてくるにつれ、人心地がつくのが好きです。
この日は、とりどりの浴衣が似つかわしい蒸し暑い晩で、まずはハワイといきました。
食欲をそそる香りに思わず身を乗り出します。半年ぶりのエビカツは何一つ変わらずぷりぷりで、その柔らかさのぶんだけ、トンカツやチキンカツのときよりもサクサクが感じられました。野菜の千切りがしつこさを和らげてくれます。あっというまに、マリンブルーから最後だけスカイブルーに変わったソーダと完食しました。
海を堪能したあとは、デザートに、高原の味を——
こちらも、ガーリックに劣らずいい香りがしました。コーヒーの香りを忘れたほどです。
粉砂糖がなるべくそのまま舌に触れるよう気をつけて食べると、ピュアな甘みがいっそう感じられました。デニッシュは、和食でいうならいちょう切りの形にして頬張るたびにコク深く、これはいま表なのか裏なのか、内側なのか外側なのか、あるいは上なのか下なのか、そんなことを考え続けさせないほど、口いっぱいの甘さで心を満たしてくれました。忘れてはならないチェリーは、そのフレッシュでない果肉感がむしろリズムを生んでくれました。
今年もまた、去年よりひと回り成熟した感覚で、このやみつきミルキーに会えてよかったです。
海か山か、仮にそういう二者択一があるとして、自分は昔から、山に惹かれる性質でした。
一つには、育った土地が丘陵地帯(尾張丘陵)だったせいがあると思います。海は、一人で旅に出られるようになって以来、晩夏や真冬に砂浜や岩礁を渡るのを好み、真夏は、山国を多く訪ねてきました。岐阜しかり、長野しかりです。雪景色も好きです。海はといえば、子ども時代の南知多を除くと、数えるほどしか見てきていません。
海水浴場のひとごみに不安になった記憶があります。高校の部活動の夏合宿で飛騨金山と木曽大桑に二、三日逗留した、そのときの青春の記憶もあります。糸瀬山の神秘的な姿はいまも忘れません。
木曽路は、家族でも何度か歩きました。霧深い南木曽温泉に泊まったこともあれば、かたや静岡の山奥の清流で丸一日川遊びをしたことも——すべて、かけがえのない思い出です。
しかし、海と山をどちらも経験させてくれた父と、その父を信頼し寄り添い続けた母への感謝のほうが、いまでは大きいです。何しろ、コメダでこうして、海も山もこだわりなく楽しめるようになれたのですから。
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投稿を表示どれもとっても美味しそう。😋
羨ましいです。😊
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