戻らない時間
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ホイミン「前回はリオとシズクちゃんが付き合ってからの事を話していたみたいだね。今回はその後何が起きたかを話すみたいだけど、何やら深い事情があるみたい」
リオ「そういえばホイミンには話してなかったっけ……そんなに深い事情でもないよ…」
(注)この話はフィクションです。実際の出来事等とは一切関係がありません!
カービィ「久しぶりの注意書きだね♪」
カービィ「せっかくだから紅茶薫るティーラテを持ってきたよ。皆で飲んでね♪」
アキラ「お、カービィさん気が利くな!」
デデデ「ではリオ、早速話してみるのだ!」
イユ「ところで、再体験するように話すってどういうこと?」
ワドルディ「えっと、単に思い出すんじゃなくて…その時に感じた音や感触なんかも感じながら出来事を通り抜けていくんだよ。例えば昨日の夜にカレーを食べたとします。その時のスプーンの音とか口の中に広がるカレーの味や辛さも感じながら話していくんです」
ワドルドゥ「なんだか難しそうでありますな」
カービィ「それじゃ、始まりの瞬間から詳しく見てください。接触できるデータがあればなんでも取り上げてください!だね♪」
リオ「………。分かったよ」
ある晴れた日の朝、俺はいつものように身支度をしていた。今回の討伐対象は強敵だからシズクを連れて行くわけにはいかない。なるべく早く帰れるように頑張ろう、そう思いながら「行ってきます」と言うとシズクは「行ってらっしゃい」と笑顔で返してくれた。そう…今回も今までと同じように無事に仕事を終えて無事に帰る。そしてシズクが今まで通り迎えてくれる……それを疑ってもいなかった。
今回もアキラ達と一緒に魔物討伐の任務に赴いて、なんとか無事に倒す事が出来た。帰りに何故か仲間に奢らされたりもしたが、お土産を買いにも行けたので悪い気分では無かった。そして意気揚々と村へと戻っていった。
村に辿り着いた時、何やら騒がしい様子だった。何か揉め事でもあったのだろうか…そう思っていたらそこで話していた方の1人が俺達の存在に気付いたのか、慌ててこちらへ駆け寄ってきた。
「り、リオ君!!大変なの!シズクちゃんが……シズクちゃんが……とにかくこっちに来て!!」
その人のただならぬ様子から、何か嫌な予感がした。まさかシズクの身に何かあったのか?俺達は急いでその人についていった。
辿り着いたのは…自分の家。そこで見えたのは呆然と立ち尽くしている方々と傷を負った方々と医者、そして傷だらけで倒れていたシズクの姿だった。血の気が引く思いがした。たまらず近づいてシズクの体に触れて確認してみたが……既に息をしていなくて、身体が冷たくなっていた……。
目の前が真っ暗になった。何が起こったのか理解したくなかった。とても信じられない気持ちでいっぱいだった。何故?どうしてこんな事が?
「リオさん……ごめんなさい…シズクちゃんを守れなくて…」
シズクの友人がそう声をかけてきた。
「い…いったい何が起こったんですか……?」
俺はなんとかその一言を絞り出すと、何人かが代わる代わる詳しいいきさつを説明してくれた。今日の昼間にシズクと友人は隣の町まで買い物に出かけていたようだ。その時に襲撃されてしまったようだ。
「いつだったリオさんが懲らしめてくれた山賊が…リオさんに仕返しするためにシズクちゃんを襲ったみたいなんです……『奴は俺達の大事なものを奪っていきやがった!だから今度は奴の大事なものを奪ってやる!!』…そう言ってました」
「シズクちゃんは私達を逃がすために……ごめんなさいごめんなさい……」
彼女達は泣きながらそう呟いた。いや…あなた達が悪いわけではない。あなた達だけでも無事で良かった……そう伝えたかったけど、その時はとてもそんな余裕は無かった。
「お前が!お前があいつらを怒らせるようなことをするから!」
「余計な事をしやがって!!責任取れ!」
「なんだよ!!リオさんに頼んでおいてその言い草は無いだろ!!」
「テメェは身内が傷ついてないからそんな事が言えるんだ!!引っ込んでいろ!!」
周囲が悲しみと怒りに包まれた異様な雰囲気になってきた。その空気にいたたまれなくなった俺は…
「……あいつらが何処にいるか分かりますか?」そう尋ねていた。別の誰かが奴らの居場所を教えてくれたので、ほぼ無意識でそこに向かっていった。
赦せなかった。シズクに手をかけた奴らは勿論、何よりも自分自身が赦せなかった。シズクを守ってやれなかった自分が…。今回の事は自分が招いた結果な気がしてならなかった。自分のせいで…自分の巻き添えで……!
気が付くと奴らの目の前に辿り着いていて……数分後、奴らは地面に転がっていた。命までは取らなかった。そんな事をしてもシズクは帰ってこないし、奴らと同類になるのも嫌だった。そして……何もかも虚しくなった。
勇者になるどころか、家族すらも守れませんでした‥‥‥。
その後俺は、村から逃げるように去っていった。暫くの間、あてもなく目的も無くただ茫然と歩き続けていた。何日も何日も……人目を避けて、誰にも関わらないようにしながら。それで全てを忘れようと思った…だけど出来なかった。シズクの事も、仲間の事も、そして自分に対する絶望と憎悪も消せはしなかった。
自分はどうすればよかったのか、どこへ向かえばいいのか。何がしたかったのか、どうなりたかったのか。もう何も分からない。何も見えない 聞こえない。
俺は何のために生きて、こんな気分をあじわって、そして何のために命を落とすのだろうか……。
ある時は悲しみが 多くのものを奪い去っても……
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