開花は一気に訪れるように、コメダの桜を三日で味わいました。

シロノワールが、いちばんおいしかったです。最初のひと切れは、口の中が春が訪れたようにぽかぽかしました。もうひと切れも、桜ソフトの塊を乗せ口を大きく開けて。その次は、だんだん溶けてきたそれを拭き取りながら。最後のひと切れは、ほとんど溶け切った抹茶散る桜マーブル模様の海に、何度も何度もひたして——その間、プレートの縁に退避させたうさぎが空飛ぶように目の前を一周するのが、美しいよりもかわいかったです。笑顔で食べ終えました。

ところで、この日なぜかクリアコースターがもらえました。

いつもの流れで即座に開ける寸前、いや待てよ、このメニューにコースターはついてこないはずだがと気がつき、一度は、店員さんを呼び出しかけました。しかし思い留まって、今回だけはありがたく頂戴することにしました。

クリームソーダもソフトクリームも、もしかしたら二度目はないかもしれません。完売の速さに負けるというよりは、一人でも多くのひとに手にしてほしいと願うからです。

クリアコースターについていえば、もしこの三枚目がこの自分が手にしうる最後になるのなら、すみっコぐらしのダイカットステッカーのときと同じように、中身がわからないまま、いつの日か誰かの手に届くまで、封印するつもりです。

なぜなら、全種類を独り占めするよりも、その誰かがそれを開封する瞬間心から喜んでくれたなら、自分は、それで十分に幸福だからです。