さんかく屋根の下

コメダ写真館

イシガミ
2023/07/30 01:31

原点へ

母方のいまは亡き祖父母を訪ねに、小さいころ名鉄名古屋本線でときどき豊橋へ連れていってもらいました。母の家は、豊橋鉄道市内電車(市電、路面電車)下りの2つある終点のうち、赤岩口が最寄りの停車場で、この日もまずはそこからいちばん近いコメダ珈琲店を目指しました。

緑コメダ、駐車場も広々としていました

その前に、お昼時の混雑からやや外す意図もあり岩田運動公園の豊橋市民球場と水神池をめぐってきたため、すでにおなかはぺこぺこでした。着いたときには、久しぶりにコメダのバーガーにかぶりつきたくなっていました。

三河湾に隣接する豊橋らしくおさかなで、キャベツがたっぷりですね

いつ食べても美味しいですね。自分で言うのも何ですが、カツカリーパンでつかんだ要領でぱくぱく平らげられたのも成長だと思います。

このあと、コメダで元気を回復したところで、一度駅前方面へ引き返して豊橋公園を訪れました。自分にとって、豊橋でいちばん思い出深い場所です。

吉田城の展望台から、豊川の向こうの山並みに夏らしい雲が浮かんで見えます

中学年のころ、忘れられない夏の日、母が子どもたちを連れて実家の帰りに、一度だけ豊橋公園を案内してくれたことがあります。はじめて聴くクマゼミの声の感動以上に、あんなにうれしそうな顔をして活発に振る舞う母は、あの日はじめて見て驚くほどでした。

父から聞いた話では、おたがい同じ小学校時代に父の引っ越しで離れ離れになるまで、父は内気な日陰者で母のほうがはるかに陽気で人気者だったといいます。そんな母が、一度はこの豊橋公園で、たとえ二人きりではなくても、幼かった父と一緒に遊んであげたことがあったのだろうか……。

それは、この先に和解と会話がなければ確かめのようのないことではあります。それでも、ほかでもない自分の力で、この自分がそんな健やかな二人の子どもなのだと想い描けることはこの心をたくましくしてくれるのを感じました。

おやつの時間、あの日みんなで遊んだ遊具ひろばで

このあと、もう一度引き返して赤岩口で降りました。母の実家はもうないですが、日暮れの迫る赤岩寺を目指してさらに歩きました。

すべてを終えた赤岩山の帰り道、日没時刻を過ぎた西の空が、まだあたたかいですね

最後に、もうすっかり日も暮れたころ、お昼と同じ夜のコメダへ立ち寄りました。はじめて食べるホットサンドは、甘辛くて、分厚くて、手が汚れてしまうのも気にしている場合ではないほど美味しかったです。

夜は熱い食べ物がうれしい、熱々で香ばしかったです

ラストオーダーを過ぎ、初対面になるスタッフさんと少し会話ができたうえで帰途に就きました。身が引き締まる思いと、なごやかな気持ちになれたのと両方でした。

2度目のお持ち帰りは夏の豆菓子、ほどよく20個入りです

成人式には出ませんでしたが、二十歳を過ぎ、こうしてその倍の年齢までどうにか生きてこれたのは、強く産み育ててくれた両親に恵まれたと言わなければなりません。その強さがあれば二人にもっとやさしくなれるはずだと、母の生まれた夏の日に、乏しくも確かな考えを一つ得ました。

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2 件の返信 (新着順)
やっちゃん
2023/07/30 13:06

お昼と夜と、同一店舗に2回の来店は
私的に“良い感じ”です。
昼と夜では店の雰囲気が違うので
嬉しくなってしまうのです。
懐かしの土地でのコメダ珈琲店を
堪能された様子が伝わりました🙂


イシガミ
2023/07/30 14:51

やっちゃん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
そうですね、地方だと名古屋とは違いそうあちこちにコメダ珈琲店があるわけではないのもありますが、それ以上に、たまにしか行けない土地では自分も、朝、昼、晩そして夜と姿も雰囲気も違う、そのコメダの豊かさと深みを知り尽くしたくなってしまうんだと思います。
いつもの店舗も、やっちゃんもよくわかっているとおり、もちろん全然違うんですけどね。
懐かしさと、幸せが伝わってよかったです。

よしち
2023/07/30 08:35

イシガミさん、おはようございます。
ベンチの羊羹が美味しそうだったので、モーニングの帰りに買いました。


イシガミ
2023/07/30 10:25

よしちさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
いかにも羊羹ほぐれやすくて美味しいです。
こうして見ると、コメダ珈琲店へ行くとき用の自家製フェルト細工のコメダンディ、意外とビッグですね。
少し反った帽子の鍔も、やや斜めのリボンもいい感じです。
よしちさんは、手仕事が本当に丁寧で尊敬します。