コメダの抹茶
コメダのシェークとチョコを噛みしめたら、暗くなるまで、地域の誇りである公園を散策しました。





すべてが琴線に触れるなかで、わけても胸に染みたのは、高山にも似たフラワーガーデンでした。岩と、ハイマツのような草と、乏しく咲いた花——晩秋生まれだからか、そのような険しい景色が、自分には性に合っています。
それにしても、遊具広場のにぎわいは目を見張るものでした。
「5時になったら帰るよ!」
「なんでー!」
そんな大声の言い合いさえ、地域のひとたちにとってこの公園がどれだけ大切な場所で、この地域にどれだけ幸せが溢れているかを感じさせるのに十分でした。
一人の自分は、ライトアップを見届けたら、また来れる日があるのを信じて、いよいよコメダを目指しました。



日の暮れた夜道も、街灯と月明かりと、すれ違うひとの穏やかな歩調のおかげで、何も不安はありませんでした。
津島は、抹茶の街だと学びました。生産地として有名なのは、おかげ庵でおなじみのとおり、愛知ではむしろ西尾でしょう。津島が抹茶の街だというのは、日常生活のなかで抹茶を楽しむ文化がいまも残っているということです。
そこで、自分はコメダを選びました。

おいしかったです。熱々のスープとグラクロを食べたあとだけになおさら、そのよさが染みました。この夜は、何よりしっとりして感じました。
テラスは、日進市が誇る道の駅「日進マチテラス」と同じように、英語の“terrace”と日本語の「照らす」の掛け言葉だろうと思います。窓辺の丸テーブルはいかにもそれらしく、コメダの入り口へ着くまでに通ったセリアとハニーズのあたりも、いかにも明るく、にぎやかでした。
ここにヨシヅヤとこのコメダがある限り、津島はずっと明るいに違いない——終始温和に接客してくださったスタッフさんの輝きとあわせて、自分にはそう感じられました。
帰りは、何年か前に演奏会で訪れた文化会館の前を通って駅へ戻りました。冬らしいイルミネーションと、壁面に映し出された巻藁船がきれいで、月がちょうど真上に掛かった駅は、もっと明るく、きれいでした。

