イシガミ
2023/11/10 08:12
紅色の幟と水色の空のあわいに
遮るものなき眺望と祈祷
もと、呼続に流れ着いた樹から上人が観世音菩薩をつくり、堂を建てて安置したという。時は流れ、その美貌でひとびとから疎まれた長者の使用人は、あるときずぶ濡れになった観音をあわれに思い、みずからの身につけた笠を被せてあげたという。のち、鳴海に寄った都の貴人からその心を見初められ、妻となりともに寺を復興したという。幾度かの再興を経て、いまに至る。
物語を、自分なりの解釈を交えてでよいから紡ぎ出せるとき、ひとは、何が正解で何が錯誤かといった息苦しさから解放され、目の前の風物を軽やかに愛せるのではないでしょうか。その余白に、誰かまた別のひとがそのひと自身の言葉をつかもうとするとき、そこに文学が生まれ出るように思います。
(天林山 笠覆寺 笠寺観音 多宝塔より)
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投稿を表示イシガミさん、おはようございます❗️画像もキレイだけど、タイトルの付け方、説明文が深いなぁ。