文化小劇場で音楽会のあった帰り道、コメダに入りました。

小さな子どもも楽しめる趣旨で、終わったのはちょうどおやつの時間でした。大人の自分はケーキにしました。描いていたのはチーズケーキでしたが、注文を告げるその瞬間まで、はたして自分がどのような選択をするのかわくわくしてもいました。

そんな軽い気持ちでスタッフさんと話すと、「今日はよく出てもう一つしかないんです」と教えられました。まだあったことがありがたく、そのケーキも気になっていたから、迷わず受け入れました。

それが、ショコラとストロベリーのモンブランです。

いちごの風味が、しっかりしました。チョコレートはみんなのいうとおりかなり濃厚で、甘さ控えめのコーヒーとあわせて、すごくおいしかったです。

最初の出会いがこのケーキで、本当によかったです。

いちごは、最初自分は——安納芋のモンブランのように——中心に赤いソースがひそんでいるのだと思っていました。しかし、両手でお皿を少しずつ回転させて何度か切り込み、どうやらそうではないことに気がつきました。

その瞬間、口から鼻腔を満たしていた芳しい香りがいちご以外の何ものでもないのを感じました。その印象はまるで、真っ白な花が咲いたようでした。

おのれの迂闊さと、はじめからいちごを感じていたのに半信半疑だったことが、恥ずかしくなりました。

しかし、それも束の間のことです。そのような感情を優に上回るおいしさに包まれて、あとはもう、ただにこやかに時が過ぎていきました。