風と友と懐かしい味
(注)この話はフィクションです。実際の出来事とは一切関係がありません。
スライム「……って、今更過ぎる注意書きだ!」
カービィ「気を取り直して、後半いってみよう♪」
スライム「…なんだ?やけに外が騒がしいな」
カービィ「お祭りでもやってるのかな?」
子供「うぇーん!!うぇーん!!」
女性「キャアアア!やめてください!」
スライム「お祭りって感じじゃ無さそうだ…」
カービィ「あ、待ってよスライム!」
男性「おいテメェら!そっちからぶつかってきてなんだその態度は!?ああ!!?」
子供「うええーん!」
女性「す、すみませんすみません。お願いですからその子に手を出さないでください!」
男性「あん?舐めた事言うな!テメェのガキがぶつかってきたせいで俺の靴がコーヒーまみれじゃねぇか!きっちりとオトシマエをつけてもらおうじゃねえか!!」
女性「す…すみません…弁償しますから…」
男性「弁償すんのは当たり前だろボケが!!んなことで俺の腹の虫がおさまるとでも思ってんのか!?ああ!!?」
スライム「おい、大の大人がずいぶんとみっともないんじゃ無いのか?」
男性「誰だ!!…あん?なんだテメエは…随分とちっこい野郎だな、邪魔だ!とっとと失せな!!」
スライム「見た目だけで判断するのは感心しないな。それで?何があったんだ?」
女性「私の子供がこの人にぶつかって…持っていたコーヒーとサンドイッチを落としてしまったんです…」
スライム「それでお子さんが泣いていたんですね」
男性「そのガキが急に走ってきやがったんだ!つまり俺が被害者ってわけよ」
スライム「たしかに災難だったな。だが子供や謝っている相手に怒鳴り散らすのは良くないな。それにあんたの靴はそこまで汚れているようには見えないけどな」
男性「うるせえな!テメエから殴られてえか!」
スライム「…やってみな」
男性「けっ、かっこつけてんじゃねえ!!」男性はいきりたって襲い掛かってきた!
スライム「……」スライムはひらりと身をかわした!
男性「ち!ちょこまかと!当たらねえ!!」
スライム「気が済んだか?」
男性「ふざけんじゃねえ!!」
カービィ「スライム!危ない!」
スライム「え?うわああ!」
ゴッツーン♪
男性「い、いってえええ!」
スライム「いてて…いきなりなんだよ」
カービィ「スライムが殴られそうになってたから助けようとしたんだよ!」
スライム「だからっていきなり体当たりすることは無いだろう!」
男性「……ぐふっ」バタ!
スライム「おい…倒れてるぞ…カービィの一撃がよほど効いたみたいだな…」
カービィ「あああ!ごめん、大丈夫?」
スライム「(やっぱりこいつ只者じゃないな…)」
男性「ゲホゲホ……はっ!?」
カービィ「良かった、気が付いたみたいだね♪」
男性「あ…あああ!!す、すみませんでした!!嫌なことがあってむしゃくしゃしていただけなんです!!」
スライム「あ、あれ…なんか急に素直になっちゃったな…」
男性「だ、だから今回は見逃してください!!なっ!なっ!なっ!?」
スライム「……(どうしようかなあ)」
カービィ「うん、いいよ♪もう悪い事しちゃダメだよ~」
スライム「(あっさり見逃した!)ま…まあ俺達はいいとして…。他に謝る相手がいるんじゃないのかな?」
男性「あ……、姐さんすみませんでした!!息子さんにも怖い思いをさせてすみません!」
女性「え……い、いいんですよ。こっちからぶつかってしまったんですから…」
男性「あ!ありがとうございます!!兄貴!!それじゃあ!!」ダッダッダ!!
スライム「すごい勢いで去っていったな。しかし兄貴ってなんだ?」
女性「あ、あの!助けていただいてありがとうございます…」
スライム「いえ、別に俺は大したことはしていませんし…」
子供「う…うう…」
カービィ「そっかあ、食べ物を落としちゃったんだもんね」
女性「あ…気にしないでください…また買えばいいんですから」
子供「せっかくママが買ってくれたのに…ええええん」
スライム「……。えっと、こんなもので良ければ食べるかい?」
子供「え…いいの?」
スライム「良いよ。その代わり今度は落とすんじゃないぞ」
子供「うん!!ありがとう!!」
女性「あ…すみません、そこまでしてもらわなくても……」
スライム「良いんですよ。それではさようなら」
女性「…行ってしまいました」
カービィ「美味しそうなパンだね、ちゃんと味わって食べるんだよ♪」
子供「うん♪」
カービィ「…あれ?何か忘れている気がするなあ」
ぐうう~
スライム「しまった…さっきの店で何か食べるのを忘れてた…。でも今更戻るのも気まずいしなあ…」
スライム「…腹減ったな。仕方がない、その辺りの草か虫でも食べて食いつなぐとするか…?」
カービィ「おーーい!スライムーーー!!」
スライム「え…カービィ?どうしてここに?」
カービィ「だって、スライムさっき何も食べずにお店を出ちゃったじゃない」
スライム「あ、ああ…勢い余ってあの場から去ってしまったからな」
カービィ「だからね、店でスライムの分も買ってきたんだよ!一緒に食べよ♪」
スライム「そ、その為にわざわざここまで追いかけてきたのか!?」
カービィ「うん!スライムもお腹空いてると思って。それに一緒に食べたほうが美味しいよ♪」
スライム「あ…だけど俺は…カービィ1人で食べなよ」
ぐううう~!!
スライム「う…」
カービィ「良いお腹の音だね♪」
スライム「良い腹の音ってなんだよ…」
カービィ「ほら、美味しいどら焼きだよ♪はいスライム!」
スライム「…すみません、いただきます。……カービィ」
カービィ「あれ?甘いものは好きじゃなかった?」
スライム「いや…そうじゃない。ありがとう、助かったよ」
カービィ「どういたしまして♪」
スライム「それじゃあ、俺はそろそろ行くよ。じゃあな」
カービィ「待ってよスライム!」
スライム「え…あ、そうだよな。何かお礼を渡した方が良いよな…」
カービィ「それはいいんだけど…そうだ!これからは一緒に旅をしようよ!」
スライム「…はあ!?なんでそうなるんだ?」
カービィ「スライムって良い人だし、一緒にいると楽しそうだから!」
スライム「おいおいおいお!ついさっき会ったばかりなのになんでそんな事分かるんだよ!それに…俺は当てもなくさまよっている身なんだぞ。連れていくわけにはいかないよ」
カービィ「さっき子供を助けようとしていたのを見ていれば分かるよ。それに…風が、一緒に行けばって言っているから♪」
スライム「何さらっとワケの分からない事を言っているんだ!…………ああもう、分かったよ。好きにしてくれ」
カービィ「うん!じゃあこれからよろしくね♪」
スライム「お、おう…(なんか色んな意味でかなわないな…。まあ旅は道連れ世は情けって言うしな。たまにはこういうのも悪くない…か?)」
カービィ「それで、今からどこに行こうかな?」
スライム「さっきも言ったけど、行く当てもなくさまよっていたからなあ。俺は自由気ままな旅ガラスだからな」
カービィ「風が吹くまま気の向くまま、明日は明日の風が吹く…だね♪」
スライム「……まさか真顔で肯定してくれるとは思わなかった(……良いやつだな、それに確かに一緒にいると楽しそうだ)」
カービィ「よーし、このどら焼きを食べ終わったらすぐに出発しよう♪」
スライム「そうだな!」
カービィが なかまに くわわった!
ワドルディ「へええ、そんな事があったんだ」
デデデ「せっかくコメダに寄ったのに、何も食べずに出ていったのか!バカな奴だな」
スライム「し、仕方ないだろう!あんなことがあったんだからそのまま店にいても目立ってしまっただろうし」
メタナイト「しかし、二人とも困っている人を助けようとしたのは立派だったな」
カービィ「うん!それにスライムと一緒に食べたどら焼きも美味しかったしね」
デデデ「むう、そのどら焼きは何処で手に入るのだ?」
ワドルディ「コメダの物販コーナーに置いてあったのを見ましたよ」
デデデ「よーし、では今日の帰りに早速買っていくぞ!スライム!なかなかいい情報を持ってきてくれたな!」
スライム「あ、ああ…それはどうも」
メタナイト「それで、そのどら焼きの味はどうだったのだ?」
スライム「あの時はとにかく腹が減っていたからな。とても美味しく感じた。元々甘いものはそこまで好きでも無かったんだけど、思えばあの時からあんこをよく食べるようになった気がするな」
ワドルディ「そうなんだー、思い出の味なんだね」
カービィ「うん!良い思い出だよ」
スライム「あはは…あの親子や男性も、今元気でやっているといいなあ」
カービィ「そうだね、それに僕たちが仲良くなるきっかけをくれたんだもん。感謝だね♪」
デデデ「お前は相変わらず能天気でおめでたい思考回路をしているな!」
メタナイト「フッ、恐らくそれが彼の強さの秘訣なのだろう」
カービィ「ん?そうなのかな?よく分からないけど…」
スライム「…さて、そろそろ行くか。この後は何をしようかな」
デデデ「まずはどら焼きを食べに行くぞ!お前たち!ついてくるのだ!!」
ワドルディ「は、はい!分かりました」
カービィ「僕も一緒に行くー♪」
メタナイト「…彼らは本当に騒がしいな」
スライム「違いない♪」
カービィとスライムの出逢い編 お わ り ♪
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投稿を表示ほんわかした気持ちで、いま読み終わりました。
まるでコメダで本を読んでいるような気分でした。
スライムのカービィとの出会いがはっきりしたところで(たしかスライムが言っていたとおり、期待するほどの大それた出来事ではなかったんですね)、これからがますます楽しみでね。
いつも素敵なお話、ありがとうございます。
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投稿を表示すぎまさん、こんにちは☀️
コメダ店舗で、読書をするように読んで…微笑んでました🤭
微笑んでいたところは、きっと誰にも見られていないハズ…😅
いやー、面白かったです🤩
カービィの思いつきのような感じで2人旅が始まったのですね〜✨
コどらが2人の思い出の味だったとは…!
元々コどらは好きでしたが、新たに特別な感情を抱きそうです笑
ありがとうございました🤗
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投稿を表示すぎまさん、こんにちわ
楽しいお話でした。
帰りにどら焼き買って帰ろうかな?
今、ちょっと嫌な事があって、こちらのコミュニティ開いたら、すぎまさんの投稿があったので、気持ち救われました。いつもありがとうございます。🤗🤗
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投稿を表示すぎまさん、こんにちは♪
スライムって見た目かわいいですが、話し方はワイルド✨
ギャップにやられます☺
午前中、マイコメで子どもが泣いていて、でもお母さんが抱えて退場💧
うちのかえるも子どもをあやすのが得意なのに、間に合わず🐸💦
みんながホっとできる空間にできると良いなぁと思いました。
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