コメダを味わう
昨日食べた、季節のシロノワールです。
ミルフィーユ(フランス語で「千の葉」)とは、コメダのシロノワール工場で手作業にて折り畳まれる、64層の自社製デニッシュパンからきた命名と推察します。民放系のアプリ「TVer」でも1週間視聴できたテレビ番組「デララバ」のコメダ珈琲店特集で、コメダの広報担当者より「ソフトクリーム、プラス好みでメープルシロップがよく染み込みむように」との解説が聞けたのはつい先日のことですが、このシロノワールでいえば、いちごカスタードソフトが溶けながらゆっくりと64層に染み渡っていく、そのおいしさはまさしくミルフィーユの名に値するでしょう。
なお、洋菓子好きにはいわずもがなと思いつつ、伝統的なミルフィーユがパイとカスタードクリームを本質とするのに照らせば、このシロノワールにとって、クラッシュパイ生地とカスタードソースは不可欠の要素といえます。なおまた、構造が似た日本発祥のケーキ、ミルクレープは、単一クリームのおいしさを否定しないまでも、数種類のフルーツを織り込めるのが大きな楽しみだろうと思います。
自分は、よく知られたひたパンをあまりしないかわりに、飲み込むのをなるべく遅くします。
念のため、咀嚼がみっともないということではありません。平たくいうと、水や澄んだスープを除いて、飲むものと食べるものが口の中で混ざっていく時間がおいしいと感じるのです。また別の面からいうと、パンはサクっと、少なくとも本来のしっとりさではじめに味わわないと、もったいないと感じてしまいます。
たとえば、ベーコンエッグトーストにしろ、クロックムッシュにしろクロックマダムにしろ、あるいはハムたまごロールにしろ好物である一方で、フレンチトーストは微妙なところがあります。おいしいと感じるのは、表面の砂糖がある程度キャラメル状になったフレンチトーストです。
コメダ珈琲店・おかげ庵をはじめとするコメダブランドの店舗における一つの特長は、思うに、大抵のわがままは聞いてもらえることではないでしょうか。
そういうと、聞こえが悪いかもしれません。とはいえ重要なのは、希望を伝えることの大切さをスタッフがよく理解しているということだと、自分はそう解釈しています。
何でも食べる自分ですが、口にするしないはともかく、好みは当然あります。そして、その好みを自由に語りたい欲求と、できるだけそれに影響を受けてほしくない願望とを同時に抱いています。それも、聞いているひとがいるいないにかかわらずです。
そのことを、自分は、ことさら矛盾とも不合理とも考えません。もし叶うのなら、さまざまなひとの好みが聞けたら楽しいです。そうやって、いままでとは違う自分と出会えたなら、つまりこのさんかく屋根の下を通じて自分自身が変化できたのなら、それはただ楽しい以上に、喜びになると思っています。
昨日受け取ったダイカットシールは、開けずに封印することにしました。時が来たら、誰か地域の子どもか、仲好くなったいいひとに、その形でプレゼントしたいと思っています。
一応、前回の8枚目で5人のすみっコは揃っているので、指先で確かめれば中身はわかると思います。しかしそれも慎んでいます。なぜなら、自分だけが答えを知っているのがつまらないというか、もしいつか目の前で開封する瞬間に恵まれたなら、心から一緒になって喜び合いたいからです。
よしそれがお気に入りのすみっコでなかろうと、出会ったかけがえのない一人を幸運と思いなして愛せるひとが、自分は好きです。