正午を跨ぐ
おかげ庵から、コメダ珈琲店へ行きました。
本店は、さすが旗艦店というべきか、順番待ちシステムが完備されています。入店後、レジカウンターに向かって右手にある背の低い機械から番号札を取り(タイルを用いたモザイクアートの“コメダおじさん”が目印)、そこに印刷されたQRコードをスマートフォンで読み取ると、LINEで、いま現在何組待っているかがわかるだけでなく、順番が近づいたら通知が届くのです。
待っている間に、お店の入り口をもう一度よく見てきました。いつも、気になる絵があるのです。
この陶板は、近くの園児たちが描いた作品だと教えられました。
オタフクナンテンのなかに何本ものボウガシの樹を一緒に植えてくれたのも、きっとそうだと思っています。子どもたちに、今日もコメダスタッフはこんなにもやさしい笑顔で見えているのでしょう。
本当にうれしいことです。一人の客として、どんなときもスタッフさんに負けない笑顔でいようと、自分も心を新たにしました。
そうこうしているうちに、選んだモーニングが運ばれてきました。
この日の大きな目的は、“とろみコーヒー”を飲むことでした。
というのも、公式ウェブサイトや店頭のパウチ、あるときは新聞記事で知識をインプットしてはいても、実際にみずから体験してみないことには、ひとに勧められないからです。
まず、テーブルに置かれたときからいい香りがしました。スタッフさんから「熱いのでお気をつけください」との注意があり、自分の感覚では、通常のホットコーヒーよりは低いものの、ひとによっては熱いと感じる温度だと思います。
肝心の“とろみ”はしっかりとついており、コーヒースプーンで口もとへ運ぶのに苦労しませんでした。コメダらしいいい香りも損なわれていません。嚥下するために、喉や首に負担がかかることもありませんでした。
グラニュー糖も、甘みがついていないとコーヒーを飲めないひとのことを考えて溶かそうとしてみたところ、やや時間はかかったかもしれませんが全体にムラなく行き渡りました。
これなら、ベッドから身体を起こすことが難しいひとにも、間違いなく、おいしいコーヒーを楽しんでもらえると思います。
ふわふわのたまごペーストと、チェリーとコーンの添えられたソフトクリームまでよく味わってから、幸いにして健脚である自分は、歩いて駅へ引き返しました。その途中、いつも池のある公園を抜けるのが好きです。
ここから、地下鉄鶴舞線いりなか駅までは歩いてそうかかりません。
この日は地下鉄ではなく、地上の出入口正面にあるバス停を選びました。というのも、こちらは急いでいなかったうえに、小さな子どもを2人連れたお母さんが先に来て、そこで心細そうにバスを待っていたからです。
それとなく見守り、乗車時は先を譲りました。
そこから、終点の千種駅(千種区のターミナル駅)まで出ました。この日は、コメダ本部の所在地でもある葵店はパスし、そのまま東山線で帰宅しました。
持ち帰った品で、遠くても、当分は家でもおかげ庵気分を楽しめるのが本当にありがたいです。