いつものテーブル
東員でラブリッジ名古屋とリーグ最終戦勝利の喜びを分かち合った帰り道、振り返ると日が暮れかけていました。
秋風にそよぐ稲穂の向こう、御在所岳と釈迦ヶ岳のあいだ、遠く滋賀の雨乞岳を越えて沈もうとする太陽が、鳥井戸川の上流にひと知れずたたずむコメダの森へまばゆい光を注いでいました。その眺望はまるで、この先50年、100年と続くべきコメダと、その屋根の下でくつろぐひとびとの未来を約束しているようでした。
北勢線を降り、駅前から桑名のコメダまで少し歩きました。勝っても負けてもコメダはいいとして、さて何を頼もう? コメ牛を控え、はじめてビーフシチューを迎えたい気持ちでした。
着席後、適度な間を置いて先に運ばれてきたオーレが、夜風で冷えた身体をすぐにあたためてくれました。
やがてそっとお皿が置かれると、たちまち食欲に身を乗り出しました。ごろごろビーフは噛めば噛むほど、優勝を賭けて臨んだ今シーズンの悔しさを霧散させてくれました。熱々チーズが呼吸を活き活きとさせれば、もりもりポテトがおなかを満たしていきました。やがてシチューの全容がつかめると、バゲットをひと口大にちぎってブルスケッタのように味わう余裕が生まれました。そのおいしさの余韻が立ち消えようとするたびに、甘くあたたかなコーヒーが両の頬をやさしさでいっぱいに満たしてくれました。行きに町役場の共同募金でもらった赤い羽根の初音ミクが、テーブルに華を添えてくれました。
その間、終始磯の香りが寄り添い、最後まで熱かったです。コメダの数あるメニューのなかで、このビーフシチューを超えるものを挙げろといわれても、自分には、言葉がありません。
落ち着いたころ、いつものチケットとメンバーズカードで会計を済ませ、あたたかな挨拶を交わし穏やかな見送りの声を背中に受けて、外へ出ました。
振り返ると、緑色の屋根のラインに一つまた一つ、明かりが灯っていました。その光は、電球が切れたのをすぐには直せない寂しさではなく、あたかも秋の星座を見上げるように、心に消えない火を灯してくれました。
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投稿を表示ビーフシチューが美味しそう😊
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投稿を表示ビーフシチュー美味しいそうですね!私も大好きです✨いつもバゲット2枚じゃ足りないです(笑)