さんかく屋根の下

コメダ写真館

イシガミ
2024/03/25 20:58

葉牡丹のころ

水族館でも埠頭でもなく、むしろ干潟のほうでひとが集結した愛する女子サッカークラブのホーム開幕戦を迎えるにあたり、途中のコメダで力をつけていきました。

見たことのない、それでいて懐かしいネオン——ここは稲葉地と並んで名古屋市のほとんど西の果てにある、コメダ法華店です。

当然というか、東の果てを一歩出た日進市に暮らし、ただでさえコメダデビューが遅かった自分は、その存在をつい昨年まで知らずにいました。


二月のこのときは、交通局のウォーキング企画「ヒラメキさんぽ」でわずかにルートを外れて訪ねたのですが、不完全燃焼でした。というのも、ランチとティータイムのあいだで客席の見通しがよかったおかげか、このコメダのいちおしメニューがたとえば岐阜の領下店と同じくカツパンであることは一目瞭然でありながら、ウォーキングはまだ中間地点で、残された道のりと時間を考えると、そのときそこでカツパンを食べるわけにはいかなかったからです。

そういうわけで、いちごシェークでクールダウンとエネルギーチャージの一挙両得をするが早いかせわしなく立ち去ったのが、スタッフの方々のもてなしが真心に満ちていただけ、その後も、いささか良心が咎めていました。

たとえるのなら、それはいちごの甘さよりも酸っぱさよりも、ココアのように苦い思いです。


三月のこの日は、時間に十分な余裕をもって到着しました。

オーダーは、ここぞというときに決まって食べてきたカツパンメニュー、カツカリーパンを。ドリンクは、弟の愛してやまなかったアイスオーレにしました。

隅から隅までサクサクで、カレーの味がしっかりとしておいしかったです。デザートがわりのジャムバタートーストも絶品でした。

法華店は、いまが並いるスタッフの見せ場と思えたくらい、地域のひとで大賑わいでした。この自分の目には、植木鉢の向こうに時折り横顔が見えたまだ幼い子を連れた母親、その笑顔と向かい合ったたくましい父親の、うれしさとおいしさが混ざり合ったような明るい表情が、何よりも印象に残っています。

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1 件の返信 (新着順)
伊藤fds
2024/03/26 17:45

珍しいネオンですね。
初めて見ました。でも違和感なくていい感じです。
コメダの外装はおおよそ決まったものかと思っていましたが、新しい装飾などもあるのでしょうね。


イシガミ
2024/03/26 19:54

伊藤fdsさん、コメントありがとうございます。
何といいますか、全体に街並みに調和した外装に見えました。
1989年開業だそうで比較的古いコメダだと思いますが(ネオンもバブル時代の反映かと)、時代に取り残されているというよりは、いつもそこにある存在のように感じました。
内装は外観以上に横に広々と感じられて、とくに自分が座ったほうのフロアは定番の間仕切りがなく風通しがよかったです。
飴色になり、ひとが通ると軋む音を立てる床板も雰囲気がありました。
窓辺の観葉植物、ガラスのショウケースに並べられた瀬戸物の犬の置物もかわいく、出入口に吊られたプランターのパンジーがきれいでした。
そんななかで、お客さんにもスタッフさんにも活き活きとした顔がたくさん見れたのがうれしかったです。
まだまだ、気づけていないものがあるとは思いますが、とにかく、一端でも見てもらえてよかったです。

伊藤fds
2024/03/26 22:29

詳しいご説明ありがとうございます。
ネオンは新しい試みかと思ってましたがなんと、89年開業でしたか。
言われて見れば映画バックトゥザフューチャーで見たようなアメリカっぽさがあります。
バブル当時の日本は何かとアメリカへの憧れ、模倣を取り入れていたのを感じます。
床がきしむ音などは出そうと思っても出せない年季があっていいですね。
屋根の縁の青い色のくすみ具合も渋いです。