コメダ写真館

イシガミ
2025/09/18 12:41

ワンモアメモリー

学生のころ、年上が自動販売機でコーヒーを奢ってくれたことがあります。

そのひとはブラックで、自分はカフェオレでした。当時ミルクや砂糖なしで飲むことがほとんどでしたが、疲れていたのか、贅沢がしたくなったのか、そのときはなぜかそちらを選び、同時に、さも自然にブラックを押したそのひとがかっこよく見えたのを強く覚えています。

それから10年ほどして、あるとき、町内会の年配者が活動後にコメダへ連れていってくれました。自分を含む3人はブレンドで、そのひとはミルクコーヒーでした(女子がおまけに頼んだポテトを、みんなでわいわい食べました)。そのひとも、普段はブラックでしたが、気丈に振る舞ってはいてもきっと疲れているのだろうと感じたこと、そして、その疲れをわれわれの前でことさら隠さないのがかっこいいなと感じたことを、やはり強く覚えています。

自分は、コーヒーはミルクや砂糖なしで飲めるし、その味わいもわかります。生産地による違いも、多少は。それならコメダではどうかというと、ときにはカフェオーレやミルクコーヒーにするし、ブレンドのときも、食べるものとの相性がよほど明確に見えているのでなければ、ミルクも砂糖も入れます。ブラックで味わうのは、ひと口目だけです。

そこに、こだわりはありません。変わったのは、元来得をすることが好きではないのが、せめてコメダではサービスを遠慮なく受けようと思うようになったことです。また、カフェオーレとミルクコーヒーについていえば、それらを選ぶとき、シーンではなく体調と味覚に照らして決めるようになりました。いよいよ、ただのコーヒー好きになったという気がします。

瑣末なことですが、写真で、瀬戸土産に買ったアクリルキーホルダーは、コメダの豆皿にポケットティッシュを折り畳んで敷いた上に置いています。

せっかくきれいな透明のアクリルに傷がつくのがいやなのは、誰でもそうだと思います。それと同時に、直置きしたのでは食器のほうを傷つけるおそれがあるからです。公共のものであるお店の食器にそういうことをしないのはマナーだと思いますが、家でも、たとえそれが安価なメラミン樹脂であろうと、必要のない傷がつくことが、避けられるのなら自分は必ず避けるし、好感を持つのはそういうひとです。

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