すみっコジェリコ
お月見ジェリコに感動してから、視野が広がりました。
真っ白と深紫がこうまできれいなのを、長いこと忘れていました。できれば混ぜたくありませんでした。もとよりフルーツの気分で、ラッシーに飛びつくようにブルーベリーを選んだのが正解でした。

なかなか、甘くなかったです。
酸っぱいのは望みどおりだったのですが、甘みがもっとあるかと……いったい、ブルーベリーとは甘いものだったのか、最後にいつ食べたか思い出せない自分は、靄に包まれた感じがしました。
これなら甘さを多めにするか、でなければ——そうなるとわらび餅まで欲しくなってしまいますが——黒蜜を追加してもいい気がします。それくらいの贅沢は、たまには進んで許したいものです。
ところで、大勢がもう仕事を切り上げたこの時間にしてはめずらしく、低い位置で座れるほうのエリアに誰もいませんでした。そこで、これまで遠慮して踏み込まずにきたそちらへ回ってみました。
壁面のイラストがおしゃれで、鏡がきれいでした。コメダのソファよりカジュアルな感じでした。結局、いかにグッズが魅力的であれ、コメクションのほうを向くだけがジェリコ堂ではないのだとわかりました。
しかし自分が好きなのは、銀河の広場の様子がわかるカウンター席のほうです。ピンクのジェリコを見つけて、その隣のいちばん隅っこに座りました。
あまりそちらは向きませんでしたが、かわいくて、落ち着けました。そうやって、ゆっくり味わえば味わうほど、ジェリコのおいしさが染みました。

帰るとき、バスターミナルへの坂道で振り返ると、オレンジの明かりがきれいでした。
じつのところ、コメダンディのキューピーのオレンジの紐にも最後まで惹かれました。しかしそれは、一度に何個も買うのは無節操でもあり、来月まで待つことにしました。
その前に、オープン以来の看板商品であるもっちりキーホルダーの選択が、何色もあるなかから、運命にも似て、これで本当によかったと思いました。
