熱いコメダ
夏の豊田へ、名古屋グランパス対川崎フロンターレの試合を応援にいきました。
名鉄の上豊田で降りて、梅坪まで歩きました。牧草地の脇を抜ける道と見晴らしが好きです。コメダは、いつもどおり、待合まで満席でした。



瓦屋根が目立つこのお店ですが、もう何度も来て感じるのは、接客もキッチンオペレーションも、人員が豊富なうえに非常にレベルが高いことです。さんかく屋根の下で話題になったとおり、職場体験の受け入れがおこなわれてきたのも頷けます。
席へ案内されて、モーニングは、先にローブパンが置かれたのでまず食べました。あたたかいを通り越して、手の平に熱いほどでした。いちごの香りが最高でした。それから、少し遅れて置かれたみそカツも熱いうちに平らげました。豆味噌をベースに鰹出汁や砂糖、みりんなどをバランスよく配合したタレが、最高でした。
同時進行で、やむをえず何度か、ローブパンを一度バスケットに置きました。そっとです。しかしカツパンは、それぞれ、一度手に持ったら食べ切るまで離しませんでした。それくらい好きです。
それにしても、カツパンがいちばん、ひるんでいると後半がきつくなるから元気いっぱいに食べます。口を大きく開けるのも、顎をしっかり使うのもです。ただ、口から離すときは、やはりそっとです。そういう全体のバランスが、本当に、コメダのカツパンメニューはよく考えられているなと思います。
最後は、バターナイフではきれいに掬えなかった豆皿のあんこを、ローブパンのほうで拭き取って食べました。食後の甘味にじゅうぶんでした。
チャージ満タンで、豊田市駅前へ着きました。参合館でピアノを弾くのだけは忘れず、あとは、迂回ルートの久澄橋からスタジアムへ直行しました。



チアスクール生の発表からグランパス音頭まで、みんなで楽しみました。それから、最後の補給で、矢作川を向いたベンチに座って、梅坪で帰り際に買い求めたコメダの豆菓子を食べました。

隣には、間を一人分空けて、一人の少年が座っていました。
リュックにつけたバッジの数から、彼が真のグランパスサポーターであり、真のサッカーファンであることは一目瞭然でした。もし、この自分が彼のバッジに目を留めたように、彼がこの自分が左手に持ったものに目を留め、そのパッケージからそれが何かがわかったとして、それよりも、彼にとっては見間違えようのない今シーズンのリストバンドのほうが、きっと大事に映ったでしょう。
この自分が、彼がいることを心強く感じたように。



試合は、熱戦の末、フロンターレに敗れました。
豊田スタジアムへ来て、試合前空を見るたびに、自分は、ローブパンの内側にいる感覚がします。試合後、もう真っ暗になった帰り道で、その熱く守られた感覚を確かめ直していました。