憧憬の地へ
昨日仕事後に、本店まで行ってきました。ときどきですが、チケットセールでもないとそう遠くないのに足が向かないのは、われながらコメダ愛が足りないと思うことがあります。
いつもは市営地下鉄鶴舞線いりなか駅から徒歩で来るところ、今回は市バスの上山町で降りました。そこからだと、歩いて本当にすぐでした。
この眺め、ほっとします。ああ、またこの場所へ来れたのだなと、思い出といまがつながる感覚です。
この日は、最初にコメダ珈琲店へ入りました。着いた時間が夕ごはんにはまだ早く、まずはコーヒーとおやつでひと息入れるのが自然だと思えたからです。
いつもながら、本店のスタッフさんはどの方も特別穏やかで落ち着いた応接なのが、到着までの疲れを忘れさせてくれます。しばらく待つと、「4人掛けのお席空いていますので」と案内があり、そちらのフロアを半周したところで、落ち着いたのは、いちばん奥のテーブルでした。
あとで気づいたら、ここは5人掛けでした。
席を立つまでそのことに気づかないほど、おそらくは旧本店時代からの古い木と、もしかしたらコメダの森から来た新しい木との調和に始まり、アンティークの丁度品、親切設計のメニューブックにイートイン・テイクアウトどちらも可能な“とろみコーヒー”のパウチと、落ち着いて周囲を感じ取ろうとすればするほど、誰にも邪魔されないくつろぎのなかに入っていけました。
時間いっぱいまで、ゆっくりと過ごしました。手洗いを済ませ、コメカで買い求めたチケットから2枚で支払いをし、渡り廊下のような直線距離で、おかげ庵へ食事に向かいました。
日の暮れたおかげ庵は、お母さんと坊ちゃんと、そのつきそいと見えるやや年配のご家族らしきひと、2組ほどいた恋人同士、学校帰りの女子高校生グループにやがてがやがやとやってきたおじさまおばさまたちと、モーニングの時間帯の何倍もにぎやかで愉快でした。窓の外の八事街道を走っては消えていく車のライトも、赤よりも白が目立って美しく見え、しばらく時間を忘れて眺めていました。
コーヒーが冷めたくらいで、ここまで来て忘れてはならない甘味を買って帰ることにしました。家までやさしく持ち帰り、すぐに食べて癒され、スタッフさんたちのあたたかな笑顔まで、もう一度浮かんできました。