愛知コメダ
ラブリッジ名古屋のファン感謝祭で瀬戸市へ行きました。加賀棒ほうじ茶のジェリコを食べて以来、1年と5ヶ月ぶりでした。
この日も、朝はその街のコメダにしました。マイグループ店舗の一つでもあって、とても楽しみにしていました。
どこからどう歩けばたどり着けるかは前回の散策でわかっていました。澄んだ浅瀬が朝日にきらめき、ハヤの群がゆったりと泳いでいました。
このお店は、正面の白塗りの壁が美しいのが特徴的だと思います。朝はひときわ美しいでしょう。
入るとき、ちょっとした出来事がありました。早くから車で来た壮年の夫婦とすれ違ったのです。跨ぎかけた敷居の手前で一歩退き、扉を支えて道を譲ると、穏やかにお礼の声をかけられ、またとない秋晴れにまして心がぽかぽかしました。
モーニングは、バナナのジェリコから組み立てました。最後に来たときのおいしさが蘇ったからです。パンはあんバターサンドにすることにして、せっかくの旅先だしと、好物のコールスローを追加しました。
打ち明けると、ヨーグルトのほうがよかった気がします。
というのは、3つにちぎってもいいトーストとは違って、ローブパンは、自分の場合、バーガーのときもそうなのですが、一度手に持ったら食べ切るまでそのままでないと非常に不自然な感じがするからです。サラダの器をヒメフォークと反対の手に持つとき、どうしても食べかけのそれを一度バスケットに置くしかなくて、そのたびに心が咎めました。
もしかしたら、サラダはサラダでひと息に食べればそのようなことは問題にならなかったのかもしれません。しかし、このごろとくにそうなのですが、給食で「さんかく食べ」を辛抱強く教えてくれた教員への感謝のほうが勝りました。
もしこれがヨーグルトなら、学校では昼食後のデザートとして1つのカップで提供された時代でもあり、三角形を描く食事とは別個の、それだけをひと息に食べることが許される品だと思えたでしょう。今度は、苦手なわけではないのだし、ローブパンのときはヨーグルトがいいな、これでまた幅広く選べるようになって、楽しいな——そんなことを考えながら、いつも以上にゆっくり食べました。その途中、一度はと思い、ジェリコからキャラメルバナナホイップを借りたあんバターローブパンに満面の笑みがこぼれたことは、いうまでもありません。
食後は、まだあるジェリコをお供に、来るときに駅から持ってきた雑誌を読んでくつろぎました。読み終えたら、着いたときにやはり駅から持ってきた街の散策絵図を広げて、このあとの道筋を頭に入れました。
瀬戸散策の白眉は、日が暮れるまで楽しんだ感謝祭の帰りに立ち寄った陶祖公園の夕焼けでした。それは、祭りのあとの寂しさではなく、この千年の歴史を誇る陶都の美を伝えてやみませんでした。
翻って、コメダを出たあと祭りの前に立ち寄ったのが、「パルティせと」と「瀬戸市新世紀工芸館」です。そのそれぞれから、手ごろな土産物と現代美術の体験とを持ち帰り、案内に従って、噂のマンホールカードも受け取ってきました。
自分の手持ちは、これがすべてです。
名古屋グランパスが現監督のもとスリーバックのスタイルを貫きタイトルを勝ち取った一方で、ラブリッジ名古屋は、フォーバックで戦い続けています。次の1枚はどの街へ探しに行こう?——そんな空想よりも、瀬戸にラブリッジ名古屋ありと謳われる愛するクラブと優勝の喜びを分かち合いたい、その日のほうが早く来てほしいと願わずにいない、忘れられない瀬戸の日でした。