セラミアムの帰りに、はなみずき通駅で降りて食事をしました。コーンスープとグラクロです。
セラミアムの愛称で親しまれる愛知県陶磁美術館で、特別展「平安のやきもの—その姿、うつろいゆく」が今日まででした。奈良時代とそれ以前を踏まえたうえで、緑釉と灰釉という二つの技法を軸に据え、約400年間続いた平安時代のやきものを、中国との関わりも示しつつ猿投窯を中心に通覧し、最後は武家政権である鎌倉時代まで接続するという、たいへん見ごたえのある展示でした。
猿投窯とは、現在の堺市や和泉市に跨って栄えた陶邑窯と並ぶ、古代やきもの史の雄です。尾張東部や三河地方でしばしば霊峰とされる山に、猿投山という山があります。猿投窯が指すのは、たんに猿投山の麓なのではなく、その猿投山を仰ぎ見ることのできるかなりの広範囲になります。後代の美濃、瀬戸、常滑といった中部地方のやきもの産地は、この猿投窯に端を発しているといっても過言ではありません。
陶邑窯は大和朝廷のもとで開窯し、時代の最先端を走り続けますが、燃料である薪の枯渇や、飛鳥から藤原京、平城京、長岡京、そして平安京と主要な消費先である都が遠のくにつれて衰退していきます。それに対して、地方窯として開窯した猿投窯は、8世紀後半から生産が急増し、9世紀には日本一のやきもの産地に開花します。その消費先は都に留まらず、今回の展示でも各地からの出土を見ることができました。
2021年の企画展「陶邑窯—猿投窯の前に立ちはだかった巨大な壁」でも観て取れたことですが、猿投窯の特徴は、多様な需要や流行の変化に応える柔軟性と、高度な技術力です。とはいえその最良の性格は、一貫して、やや黄色がかった灰色に、涙の滴のように釉薬を滴らせた作品にあります。
平安末期、世の中の混乱と末法思想が広がるにつれ、緑釉も灰釉も姿を消しかけ、展示はずいぶんと様変わりします。そんな中で、渥美半島の先の方、一地方窯である渥美窯の灰釉壺が単独で展示され、この感覚のたしかな継受を示しているのが印象的でした。
いずれにしても、愛知県陶磁美術館は、セラミックパークMINO(多治見市)、瀬戸蔵ミュージアム(瀬戸市)、とこなめ陶の森(常滑市)、そして滋賀県立陶芸の森(甲賀市)といった有名施設と並ぶ、中部・近畿地方では有数の美術館であることは間違いありません。ちなみに本館と南館の設計は、国宝犬山城で有名な犬山市の博物館明治村の創設にも携わった、建築家の谷口吉郎です。芝生と木立の丘や桜のプロムナードを楽しみたい方は、ぜひ南館まで回られてください。
長久手図書館通店は、明るくて静かでした。濃厚で、なかなか冷たくならないコーンスープとグラクロを味わいながら、ようやく目が覚めていくのを感じていました。
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投稿を表示イシガミさん🌸おはようございます。
荒川豊蔵資料館に行った事が有ります🧡
岐阜県と愛知県には陶器をメインにした
道の駅が多く在りますね😊
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投稿を表示イシガミさん、おはようございます。
陶磁器にもお詳しいのですね。
私は陶磁器には疎いのですが、地元なので、とこなめ陶の森は行ったことがあります。
嫁さんのいとこが陶芸家で、去年個展を見に行きましたが、高くて買えませんでした。
常滑には、やきもの散歩道と言うのがあって、古い窯や陶器屋さんが並んだところを歩くのが好きです。今日も良い一日をお過ごしください。
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