またまたお話作りました😊
よろしければどうぞ!
間に合ってよかったぁ😅
・・・
ワタシの名前はコメダおじさん。
つばの大きなシルクハットと左ローレットがトレードマーク。
熱いコーヒーを飲むのにシルクハットは邪魔ではないかという心配はご無用。ワタシはこのスタイルが気に入っているのだ。
さて、すっかり暖かい飲み物が恋しい季節になったが、今日は朝からどことなくみんな浮き足だって、店全体がキラキラしている。それはそうか、何しろ今日はクリスマスイブなのだから。
お店でも、スタッフが事前に苦労して飾ったツリーに、たくさんのオーナメントがぶら下がっている。今年も誇り高く、私をみよと言わんばかりに枝葉を大きく広げ、その体躯を見せつけている。ううむ、今年もまた一段と素晴らしい姿だ。
そんなクリスマスイブに、どんなお客様が来るのだろう…
*****
窓から見える景色がすっかり夕闇に沈んだ頃、一人の男性客が入って来た。
スポーツブランドのジャンパーにリュックを背負っている男性は、男性というにはまだ若く、顔にはニキビ跡が残っている。
キョロキョロと辺りを見回し席を探しているようだ。店内はそれなりに賑わっていたが、入口からすぐのカウンター席は空いていた。
スタッフが声をかけるより先に彼はそこへ腰を下ろすと、リュックを膝下にドッカと置いた。
「いらっしゃいませ」
スタッフがワタシのイラストグラスとおしぼりを置く。
若者がメニュー表を開くのを見たスタッフは「ご注文が決まりましたらお知らせください」と一礼して去って行った。
改めて彼をまじまじと見ると、どことなくボーっと焦点が定まっていないような…?
雰囲気的にまだ二十歳そこそこの様子で、学校の帰りだろうか?それとも別のバイトが終わってホッとしたところなのか?
ワタシがいつものように色々と妄想していると、彼は深く長〜い溜め息をついた。
おやおや、何かよろしくないことでもあったのか?客がこういう溜め息をつくときは、たいてい何かトラブルがあるときだ。
何があったか見当もつかないが、とにかく何か口に入れて落ち着くことをお勧めしたい。
注文を決めたようで、呼び鈴を鳴らすとスタッフが来た。「たっぷりサイズのアメリカンで、ミルクなしで」
おや、意外と大人な注文だぞ。
スタッフが離れると、ポケットからスマホを取り出す。今やスマホ全盛期だな。ワタシがもっと若い頃はそんなものはなく、専ら本か雑誌、漫画、新聞…いわゆる紙物が主流だったのに、世の中は変わってゆくものだ…変わらないのはワタシの姿とこのクリスマスツリーぐらいだろうか。
スマホゲームでもするのかな、ちょいと失敬。
っと。思った通り、ゲームを始めたぞ。しかしどこか心ここに在らず的な…惰性でやっているな?
「お待たせいたしました。たっぷりサイズのアメリカンでございます」
ドリンクの注文は、よほど混雑していない時でなければ提供が速い。たっぷりカップにもワタシがいて、コメダのロゴは緑色だ。
たっぷりアメリカンと豆菓子が置かれ、スタッフの一礼にお辞儀を返すところをみると、なかなか礼儀正しい若者のようだ。
スタッフが去り、ワタシのカップを持つと若者はゆっくりと珈琲を啜った。ブラックがお好みの様子だ。
彼はゲームを中断し、今度はLINEを開いた。
そこに何となく目をやると「別れよ」という白吹き出しの言葉が目に飛び込んできた。
うーむ。不味いものを見てしまったか。
それではこの若者が落ち込むのも無理ないなあ。見た目はごく普通の礼儀正しそうな若者なのに、いったい何が不服というのだろうか。しかもよりによってこんなクリスマスイブという日に、なんと酷いことを言うのだろう。いや待て、じつはこの若者に悪いところがあって、彼女が耐えきれなくなったのかもしれないぞ。
「ピンポーン」若者が再び鳴らした呼び鈴にハッとする。
間も無くスタッフが登場し、「すみません.追加でホットドッグください」と。
そうか、それはいい。ホットドッグはバンズとソーセージに絡むソースが見事なまでのハーモニーを奏でる。
サイズも程よくて、ちょいと小腹が空いたときにはもってこいの一品だ。
あ、そうそう、隣席の女性もさっき頼んだはずだ。
「申し訳ございません…ホットドック、先ほど売り切れになってしまいまして…」
「えー…」
ああ…そうか。ホットドッグは意外や人気商品で、売り切れになることが度々ある。
若者は残念そうに肩を落としつつ「ま、仕方ないか。じゃあ手作りタマゴドッグでお願いします」と注文を変更した。
女の子に振られ、ホットドッグにも振られたか―――…表情からそんな言葉が読み取れた。
まあでも、タマゴドッグに切り替えの早さがいいではないか。前向きだぞ、若人よ。そうでなくては。
直後、「お待たせしました。ホットドッグです」
なんと!隣席の女性のドッグがラストだったのか…これはまたタイミングの悪い。。。
若者は一瞬ピクリとなったが、そこは大人。
「えー!俺のはないのかよ!」といきり立つこともせず、黙ってスマホをいじくっている。
偉いぞ、若人よ。せめて豆菓子を食べて元気を出しておくれ。
すると…
「あの…よろしければ、どうぞ」
と、なんと隣席の女性がおずおずとホットドッグを差し出したではないか!どうやら、注文のやり取りを聞いていたらしい。
若者はビックリして隣の女性を見た…と、これまた女性というよりまだ若い、二十歳そこそこの娘さんではないか。
淡いクリーム色のセーターを着たショートカットの彼女、そういえばクリームコーヒーとホットドッグを注文していたぞ。
おやおや、この雰囲気は…
なにか、キラりと光る予感が…
「あ、大丈夫です。自分、タマゴドッグ頼んだんで」
娘さん、恥ずかしくなったのか「あ、そうですよね。スミマセン…でしゃばって…」
「あ、いいえ。ありがとうございます」慌てて若者が手を左右に振る。「あ、そうだ」どうだ?
「あ、じゃあ、どっちも半分こずつというのはどうでしょう」
「あ、それ、いいですね。そうしましょう」
そうか、そうだ、ドッグは半分にカットされて出されるから、ちょうどよいではないか。
なんという素晴らしいアイデアだ。
間もなくタマゴドッグもやってきた。2人は仲良く半分こ。
「あのー…お名前は…」
さあて、これから始まる新しい物語。
クリスマスケーキじゃないけれど、ドッグでお祝いもなかなかいいではないか?
おじさんのお節介はここまでにして、あとはそっと見守っていることにしよう。
聖夜はまだ長い。
メリークリスマス!
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三角屋根のメンバーみなさんに
メリークリスマス!!
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投稿を表示emikkoさん、おはようございます🙋♂️
ホッコリ😇するお話ですね✨💮
続編、期待してます✌️
良いクリスマス🧑🎄お過ごし下さい🥳
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投稿を表示恋の始まりを予感させる、素敵な物語ですね☺️
でも、ホットドッグと手作りたまごドッグ、両方食べれるなんてラッキー✨と思ってしまう、食いしん坊な私です…😂
クリスマスイブにぴったり✨ありがとうございます♪
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投稿を表示emikkoさん、こんばんは🌙
いつも面白いお話しをありがとうございます😊
毎度楽しませてもらってます💛
お話し作るのお上手ですね✨
🎄Merry
Christmas🎄
明日も良い日になりますように…💫
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